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ある家庭教師の独り言

現実を見よ

 2011年ももうすぐ終わり。受験生はいよいよ追い込みだ。不安な気持ちも高まっているかもしれない。でも私はあえて「現実を見よ」と言いたい。つまり、自分の盲点にしっかり目を向けよ、ということだ。

 直前期とは言え忘れてはならないのは、自分が出来なかったものを、より多く出来るようにするのが、本来の勉強だということ。そうした勉強をするには、当然自分の盲点を認識しなければならない。

 ちなみにこの時期は、実戦力を身につけるべく、入試過去問を解くことが多いと思うが、自分は何が出来、何が出来ないかを把握せず、あるいは気に留めず、やみくもに練習を重ねても、勉強の効果は薄い。実戦力といっても、それは基本の上に成り立つもの。例えば、単語で知らないものが多いのに、直前期だからと、設問の解法ばかりを練習しても、入試本番での得点UPは期待できない。

 実際、入試過去問を解いた結果、思いのほか単語を覚えていないというなら、単語集等で、単語だけに焦点を当てた勉強をした方が得策だし、思いのほか速読力がないというなら、次々新しく過去問を解くよりも、これまでに取り組んだ長文を引っ張り出して、それを何度も読む作業をした方が効果的だ。

 この時期、出来ないものに目を向けるのはつらいかもしれない。また入試過去問のような実戦的な題材から離れて、基本に戻るのは焦りを生じさせるかもしれない。でも、そもそも入試問題は、入試当日に解けるようになっていればよいレベルのもの。そこに至る過程では、必ずしも入試問題が勉強の題材でなくてもよいはずだし、必ずしも満足がいく出来でなくてもよいはずだ。

 自分はできるということにしてしまわず、今は実戦問題をこなすべき時期だといった、世間の一般論に流されず、恐れずに自分の盲点に目を向け、そこを改善する勉強をしていこう。入試本番で最高のパフォーマンスを発揮するためにも。